最も偉大な化学者の一人として知られる、ライナス・ポーリングは「 全ての病態、全ての病気、全ての病弊を追及すると、ミネラル欠乏にいきつく 」と説いています。ミネラルが体に必要な栄養素であることは良く耳にしますが、どのような役割をしているのか。
この記事では、複数あるミネラルの役割と、私たちの体にどういう影響があるのか纏めています。私たちのミネラル不足の原因は単に食生活の乱れから来るものだけではありません。食品の化学肥料、畜産で使用する飼料、水道水、精製塩など、経済的な豊かさを手に入れた代償を負っていると、気がしてなりません。
- ミネラルについて基本を学びたい人
- サプリメントを利用している人
- 体調管理に気を付けている人
- なんとなく、体調がすぐれない人
ミネラルはバランスが重要

体に摂取するミネラルはバランスが重要です。それでは、なぜバランスが重要なのでしょうか?複数あるミネラルが不足したり偏ったり、過剰に摂取しすぎたりするとミネラルは害になりえます。あまり参考になりませんが、ミネラルの一日の必要摂取量は厚生労働省が発行している「日本人の食事摂取基準」にも定められていますが、過剰摂取により発症する疾病についても個々の栄養素単位で基準が設けられています。
ミネラルの栄養素としての役割は、体内の触媒である酵素が関与して、私たちの体の中で無数の化学反応が起きています。いかに有能な酵素であっても、ミネラル(特に微量ミネラル)が結合しなければ本来の能力を発揮しない場合がありますのでバランスが重要と言えます。
バランスを整えると免疫力を高めることが出来る
バランス良くミネラルを摂取することで身体の不調を緩和し、病気に対する抵抗力=免疫力を高め、人間本来の健康な体を取り戻すことが出来ます。
ミネラルは人間の五大栄養素の一つです

ミネラルは人間が生きていく上で必要な栄養素である、糖質、タンパク質、脂質、ビタミンと並ぶ「五大栄養素」の1つです。ミネラルは鉱物、栄養素として無機質で生体にとって欠かせない元素ですので生命元素と呼ばれています。
人体に存在する元素は約60種類※といわれておりますが、全体の96%を炭素、水素、窒素、酸素が占めており、残りの4%がミネラルです。
全体の4%と少ない割合ですが、少ない栄養素で生命活動に影響を与える為、大変重要な栄養素であることが分かります。(※:少しずつ新たな元素が発見されていますので現在は70種類あると言われています)
ミネラルにはどんな種類があるの?

体に必要不可欠なミネラルは16種類と言われており、「 主要(多量)ミネラル 」と「 微量ミネラル 」に分類されています。一日当たりの摂取量が100㎎以上必要なミネラルを主要ミネラル、必要な摂取量が100㎎以下のミネラルを微量ミネラルと分類しています。一覧表についは下記纏めています。皆さんがご存じの元素も多く含まれていると思います。
【主要ミネラル7種類】カルシウム・マグネシウム・カリウム・リン・ナトリウム・硫黄・塩素
【微量ミネラル9種類】亜鉛・セレン・クロム・コバルト・マンガン・鉄・銅・モリブデン・ヨウ素 (ニッケル、バナジウム)
ミネラルの身体の機能への重要な役割

概念的にとらえる為に、それぞれの栄養素を自動車に例えて説明していますが、栄養素は単一的な機能だけを果たしているわけではなく、相互に作用しあっていることを念頭に理解しておいてください。
五大栄養素の役割を自動車に例えると、車体はタンパク質、糖質は燃料、ビタミンは潤滑剤にに例えられます。残り2つの脂質とミネラルはマルチにその能力を発揮する特徴を持っています。脂質は燃料と車体の一部になり、ミネラルは潤滑剤と車体の一部になります。
ミネラルは体の潤滑剤の役割を任されていますので、仮に不足すると、体は動くけど、なんとなく調子が悪い、などの不調の原因になること、骨を構成する栄養素の役割もありますので、不足すると老朽化が加速する原因にもなりえます。
ミネラル豊富な食品:日常で手軽に摂り入れられる食材リスト

ミネラルは体の正常な機能を維持する上で不可欠な栄養素であり、カルシウム、鉄、マグネシウムなどが代表的なミネラルとして知られています。適切なミネラルの摂取は健康を保つために重要であり、さまざまな食品に豊富に含まれています。以下は専門的な観点から、日常生活で手軽に摂り入れられるミネラル豊富な食品のリストとその特徴について解説します。
カルシウムは骨や歯の形成に欠かせないミネラルであり、神経伝達や筋肉の収縮にも関与します。乳製品がカルシウムの主要な源であり、特にチーズやヨーグルトには豊富に含まれています。一方、植物性食品ではカルシウムが豊富に含まれているものとして、小魚の骨(サンマやしらす)、大豆製品(豆腐)、ナッツ類(アーモンドやイチジク)、葉野菜(ケールやほうれん草)が挙げられます。
鉄は血液中のヘモグロビンやミオグロビンの構成要素であり、酸素の運搬に不可欠です。動物性食品ではレバーや赤身の肉が高い鉄含有量を誇りますが、植物性食品にも鉄が含まれています。具体的には、ひじき、えのきだけ、ほうれん草、アーモンド、豆類(レンズ豆や大豆)、くるみなどが挙げられます。鉄吸収を助けるために、ビタミンCを含む食品と一緒に摂取することが推奨されます。
マグネシウムは多くの酵素反応に必要なミネラルであり、エネルギー代謝や筋肉の収縮に重要な役割を果たします。ほうれん草、アーモンド、カボチャの種、大豆製品、バナナ、アボカドなどがマグネシウムを豊富に含んでいます。食物の調理や加工によるマグネシウムの損失を最小限にするために、できるだけ生の食品を選ぶことが望ましいです。
他にも様々なミネラルがありますので、興味がある方は調べてみてください。
こんな不調はないですか?もしかするとミネラル不足の症状かも?
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ミネラルの摂取はバランスが重要ですので、単一のミネラルをサプリメントなどで摂取しても、非効率で過剰摂取のリスクもあります。日本人のミネラルの摂取状況について調査を行っている「国民栄養調査結果」によると、マグネシウム摂取量は1978年までは栄養所要量を満たしていましたが、少し減少。亜鉛、マンガン、銅は必要摂取量から10%程度の不足気味。1971年の栄養所要量は87%満たしていたが、それ以後も徐々に減少ししており、特にマグネシウム、亜鉛、マンガン、銅の含量は徐々に減少し低値になっています。
生活は豊かになったのに、ミネラルは不足している
恐ろしいことに、1970年代より現在の方が食生活は豊かになっていますが反面、ミネラルバランスは崩れ栄養所要量も低下していることが実態のようです。冒頭でもご説明しましたが、現代人のミネラル不足の原因は経済的な豊かさの代償もあると考えられますので、日々の食事のみでバランスを整えることはもはや困難なのかもしれません。食事を通じて、自然の恵みだけでバランスの良いミネラルを摂取したいものです。
代表的なミネラル不足の症状
ミネラルについて、初めての方も多いと思いますので代表的な不調例をお伝えします。しかし、「このミネラルが不足すると、こういった症状になります。」ということをお伝えしたいのではありません。世の中には身体に悪いものがたくさん存在し、それらの作用によって、私たちに必要な栄養素の所要量が脅かされていることを認識してもらいたいと思います。
肌荒れ、肩こり、低体温、貧血、口内炎、体重増加、免疫力低下、疲れやすく集中力がなくなる、イライラする、甲状腺腫などの欠乏症や、骨粗しょう症
まとめ
健康面を考えて、有機や無農薬の野菜、バランスの良い食生活を心がけていても、食材の栄養素は年々低下しています。食品にこだわりのある方は、有機栽培や改良されていない土壌で育てられた食物のみを利用されていますが、一般の方は長く続けることが困難と思います。補助的な食品を利用することも一つの手段ですが、一般的なサプリメントを利用するのではなく、天然、自然由来の機能的な食品をおすすめしています。
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