お酢を使った料理は、日本人にとって「体にやさしい食べ物」というイメージがあると思います。また、歴史背景やお酢に関する書籍や研究結果が出ていますので、お酢を愛用される方も多くいらっしゃいます。
この記事では、お酢についての研究結果から使い方や選び方を纏めています。お酢のの種類は果実酢、穀物酢など種類はさまざまですが、無添加の醸造酢を選んでいただき、日本の伝統的な食べ物である「酢の物」や日々の食習慣に取り入れることをおすすめします。
「お酢の力」とは何か、その効果と特徴の紹介

「お酢の力」とは、お酢が持つ特定の成分や化学的な性質によって生じる、さまざまな効果や特徴のことを指します。特に酢酸という成分が、お酢の力の主要な要素となっています。
お酢は、主に発酵によって作られる液体であり、酸味があります。酢の主成分である酢酸は、この酸味を持つだけでなく、多くの効果をもたらす成分として知られています。まず、お酢の力の一つの効果は、優れた除菌作用です。酢酸は、多くの細菌や真菌、ウイルスに対して抗菌・殺菌効果を持っています。
お酢は最古の治療薬?|歴史から見たお酢の使われ方

お酢は、世界最古の調味料とされ、紀元前5,000年頃にはすでに作られていたとされています。世界最古のお酢は、バビロニア(現代のイラク南部、ティグリス川とユーフラテス川下流)で作られたと考えられています。日本では4~5世紀頃に中国から酒を造る技術と共に米酢の醸造技術が伝えられ、和泉の国(今の大阪府の南部)で造られるようになったのがはじまりとされています。
また、お酢は健康や病気予防の側面があることが歴史の側面からも見て取れます。1,700年代のフランスではペストという黒死病が流行った際に、お酢を利用していた集団が病気に感染しなかったという話です。その集団はラベンダー、ローズマリー、ミントなどのハーブ類をお酢に混ぜて消毒薬として使っていたようです。昔の人々は酢酸を消毒薬として利用していたのですね。
お酢にはどのような種類があるのか?

お酢は、様々な料理の調味料として利用されてきました。その種類は、醸造酢と合成酢に分類されています。お酢は、お酒を発酵して出来た酸味のある調味料ですが、主成分は酢酸という成分で出来ています。
お酒の種類によって、果実酢、穀物酢などがありますが、お酒の種類と同じだけお酢が有るのかもしれませんね。一般的によく使われるお酢は、リンゴ酢、米酢、ワインビネガー、バルサミコ酢を多く見かけます。
醸造酢:農作物などのでんぷん質を発酵させて作られるお酢のことです。主成分である酢酸が3~5%を占め、他には様々な栄養素と風味成分が含まれています。醸造酢は独特の色、香り、豊かな味わいがあり、調味料としてだけでなく、健康食品としても日常的に摂取されています。
合成酢:醸造酢は名前の通り、醸造が必要ですが、合成酢は醸造が必要ありません。これは原材料や添加物が異なるためです。化学的に合成された酢酸などを原料として作られる合成酢には、早く大量に生産するために化学調味料などが添加されています。
お酢の健康効果に関する研究結果

日本人は、お酢は体に優しい調味料であることは知っていますが、体に対してどのような効果があるのかをご存じない方も多いと思います。ここでは、興味深い研究結果を2つ紹介いたしますので、お酢を日々の食事の中に取り入れるきっかけになると思います。
血糖値の上昇抑制効果と糖尿病予防に関する研究結果
お酢の主成分である酢酸は、インスリンの多量分泌を抑制する効果が期待されることから、糖尿病の予防にもつながります。多山賢二博士の研究結果では、個人差はあるが、食酢(酢酸)が糖尿病のリスク低減につながると説明されています。
1回の食酢摂取量は10㎖~20㎖で血糖値の上昇抑制のメカニズムは、酢酸による胃から腸への食物移動速度の遅延が考えられています。また、酢酸水溶液が水と比較して胃液を1.4倍まで増大させることにより酢酸の胃粘膜保護作用が促進すると研究結果が出ています。
参考文献:日本醸造協会誌/97巻(2002)10 号/
食酢の血圧への作用に関する研究結果
次に血圧への作用と効果について見ていきます。玄米酢約15㎖(酢酸750㎖)、リンゴ酢約15㎖(酢酸750㎖)を摂るグループと、食酢を含まないプラセボ飲料(食酢のかわりに乳酸で味を似せた比較用の飲料)を摂るグループの3グループに分けて、1日100㎖を10週間摂取してもらった実験です。実験の結果は玄米酢飲料では、最高血圧が約6.5%減少、最低血圧で約8%減少と血圧の減少が見られました。また、リンゴ酢飲料については、最高血圧、最低血圧ともに約8%の血圧減少が見られました。食酢の血圧への関与成分は、食酢の主成分である酢酸による影響と考えられています。
参考文献:日本調理科学会誌(J. Cookery Sci. Jpn.)Vol. 52,No. 2,123~125(2019)
料理や水と一緒に上手にお酢を摂ろう

お酢の効果を得るためには、毎日継続的に約大さじ一杯(15ml)のお酢を目安にとることをおすすめします。できれば身体に優しい醸造酢を選んでみたください。身体にやさしい食品は美味しく感じますよ。
また、お酢を摂る時間帯は朝昼晩いつでも構いませんし、1食で約15ml摂っても3食に分けても大丈夫です。毎日のおかずを作るときに入れてみたり、食べる前に少しお酢をかけてみたり、手軽に続けられる方法を見つけてみてください。
醸造酢を飲むときの注意点は、そのまま飲むのではなく5~10倍を目安に薄めて飲みましょう。お酢の水を飲まれる場合は飲水法を利用することをおすすめしています。

まとめ
お酢の健康効果は素晴らしいですね。私は辛いものよりかは、梅干しなどの、酸っぱいものが好きですので、体質に合っているのだと思います。お酢には様々な効果がありますがご自身が”美味しい!”と思える調味料が体に合っていると思います。ご自身が美味しいと思える、お気に入りを探してみてください。
最後に、お酢を選ぶ際に注意したい点は、お酢にも2種類あり、醸造酒(穀物酢・果実酢)は酢酸発酵させた調味料ですが、砂糖類等を加えた合成酒もあります。健康効果を期待する場合は、品質の良い醸造酢をおすすめいたします。
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