料理やお菓子に含まれる砂糖は、糖分やカロリーが高いため、血糖値の上昇など健康への影響を気にする方が多いと思います。最近では人工甘味料に対する問題も指摘されていますが、砂糖自体についてはどうでしょうか。
砂糖の製造にはさまざまな精製工程があり、精製回数が少なく、さらに品質の良い原材料を使った砂糖を好む方も増えています。この記事では、きび砂糖(さとうきびから作られる砂糖)の製造工程と、砂糖の種類について解説します。もちろん、糖分の摂りすぎには注意が必要ですが、日常のお料理やお子様のお菓子などで砂糖を使う機会は少なくありません。
この記事を読むことで、砂糖の製造工程についての理解が深まり、より品質の良い砂糖を選ぶポイントを知って、今日から実践できる内容をお届けします。
きび砂糖は他の砂糖より
低GI値を期待できるお砂糖です
グリセミックインデックス(GI)とは、食品が血糖値に与える影響の程度を示す数値のことで、主に糖質の摂取が注目されています。低GI食品は、血糖値の上昇が緩やかに進むため、糖尿病や肥満の予防・改善に役立つとされています。
さとうきび由来の砂糖は、過度に精製されず、添加物も加えられていないことから、ミネラルやビタミンが多く含まれており、低GI値のきび砂糖が多く見られます。このことが、きび砂糖が「身体に優しい」と言われる理由の一つです。
ただし、原料となるさとうきびの栄養素や栽培地域によってGI値は異なるため、血糖値が気になる方は、低GI値のきび砂糖を選んでみるのも良いでしょう。
きび砂糖と黒砂糖の違い、どちらが自然に近い?
きび砂糖も黒砂糖も
精製回数が少ないお砂糖です
きび砂糖と黒砂糖は、どちらも「さとうきび」から作られる砂糖ですが、生産工程における精製の度合いが異なります。黒砂糖は、さとうきびの搾り汁からゴミやかすを取り除いた後、それ以上精製せずに煮詰めることで作られます。精製が少ないため、糖分以外にもミネラルなどが含まれ、これが黒砂糖独特の香りや味の源になっています。
一方、きび砂糖は、さとうきびの搾り汁からゴミやかすを取り除いた後、黒砂糖よりも多く精製し、さらに煮詰めて作られます。黒砂糖に比べると精製が進んでいるため、より白く仕上がり、黒砂糖ほど独特な香りや味は少なくなります。ただし、上白糖ほどには精製されていないため、多少のミネラルが残っています。これにより、きび砂糖はさとうきび本来の風味を楽しむことができるのです。
「きび砂糖」と「黒砂糖」の違いは、精製が多いか少ないかです。精製が多い「きび砂糖」は白く、風味が優しいです。一方、精製が少ない「黒砂糖」は色が濃く、香りや味にコクがあります。
精製の最後は三温糖と上白糖です
砂糖にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる風味や特徴を持っています。白砂糖、三温糖、きび砂糖、黒糖は、一般的によく知られている砂糖の種類ですが、それぞれの違いを正しく理解することは、料理やお菓子作りにおいて重要なですね。
白砂糖(しろざとう)
白砂糖は最も一般的な砂糖であり、上白糖と呼ばれ一般的な食品加工に広く使用されています。白砂糖は、サトウキビやビートからの糖液を精製し、結晶化させて作られます。この精製工程により、ほとんどのミネラルやビタミンが取り除かれ、ほぼ100%の糖分で構成されています。風味は非常にシンプルで甘さだけを追求した精製されたお砂糖です。
三温糖(さんおんとう)
お砂糖の製造工程の中に、遠心分離を用いて糖液からグラニュー糖が結晶として取り出される工程があります。この遠心分離後に糖液に残る糖分を利用して、それを結晶化させたものを三温糖と呼んでいます。
「三温」の由来は結晶化の過程で糖蜜を何度も加熱することから呼ばれるようになりました。また、一部の三温糖製品は、製品の色合いを均一に仕上げることを目的に砂糖を原料とするカラメル色素が使用されています。
精製回数が少ないほどミネラルやビタミンが残っている
沖縄県はきび砂糖の産地として有名ですが、ある商品の原材料表示には「さとうきび・石灰」だけが記載されていました。このように、商品表示がシンプルで、添加物を含まない食品を率先して選ぶことが大切です。また、さとうきびは穀物の中でも特にミネラルやビタミンを豊富に含んでおり、これらの栄養素を保ちながら製造されています。
一方、一般的な白砂糖は、さとうきびから糖蜜を抽出し、精製して作られるため、製造過程で化学薬品が使用されることもあります。しかし、きび砂糖は化学的な添加物を含まず、より自然に近い形で作られているため、身体に優しい選択肢といえるでしょう。
現代の食生活では多くの添加物が使用されているため、自然で安全な食材を求める声が高まっています。さとうきび由来の砂糖は、そのニーズに応える存在として注目されています。
きび砂糖の栄養価と使う際の注意点
さとうきびから抽出される砂糖は、さとうきび自体が栄養価の高い作物であるため、多くのミネラルやビタミンが含まれていると言われています。具体的には、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛といったミネラルが豊富で、これらは心臓や骨の健康、免疫システムの維持に重要な役割を果たします。
加えて、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビタミンCなどのビタミン群も含まれており、これらは私たちの代謝や免疫機能に大きく関与しています。
まとめ
さとうきび由来の砂糖は糖分が多く含まれているため、過剰摂取は避けるべきです。きび砂糖や黒砂糖は確かに栄養素は含まれているものの、栄養バランスを考慮すると、その含有量はそれほど多くありません。精製回数の多い、上白糖や三温糖より栄養面で優れていますので、食べすぎに注意して、品質の良いお砂糖を使用することをおすすめします。
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