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塩には種類があるの?賢い人の本物の見分け方|食品表示で分かる天然塩と精製塩の違い

「料理の味は塩で決まる!」と言われるほど、塩は料理に欠かせない調味料の一つです。塩に含まれるミネラル成分が、食材の味を引き出すことに一役買っていると思いますが、品質が良かったり、おいしい塩はどのようなものでしょうか。スーパーや量販店では、天然塩と精製塩の2種類が売られています。

あなたは、どちらの塩を選んでいますか?当然、天然塩が本物の塩であることは言うまでもありませんし、自然のミネラルを結晶化した天然塩の方がミネラルのバランスが整っています。原産地で天然塩の味は変わりますので、各々好みは違うと思いますが、ミネラルバランスが整っている天然塩を美味しく感じるのだと思います。

この記事では、美味しさや健康の維持には天然塩が欠かせませんので、その特徴と見分け方を解説しています。塩の違いが分かることで、天然塩は味に様々な特徴があることや、身体にやさしいことが分かるようになります。

「食品表示」で分かる品質の違い

天然塩と精製塩の食品表示の違い
天然塩と精製塩の食品表示の違い

天然塩は
自然に近い状態で生産される

天然塩と精製塩の違いは食品表示からも見分けることが出来ます。様々な種類の天然塩がありますが、天然塩は添加物フリーやオーガニックを推奨する方に好まれますので、パッケージや食品表示に原産地や製法が詳しく記載されているのが特徴です。

さらに、栄養成分表を見るとカリウム、マグネシウム、カルシウムなどの天然のミネラルが豊富に含まれていますので健康に配慮されている方に人気があります。

精製塩は工業化された
塩化ナトリウムが大半の物質

精製塩の食品表示。イオン膜及び立窯による製造方法
精製塩の食品表示。炭酸マグネシウムが添加され、立窯により製造されている。

対して、精製塩のパッケージや食品表示には、イオン膜や逆浸透膜などの工程が記載されています。イオン膜は電気分解で取り出されたナトリウムだけを精製し結晶化させる工程で、海水中の不純物を取り除いています。

安全性が高い理由はこうした技術の力を借りているからなのです。しかし、精製されている食塩のため、ミネラルの含有量は天日塩と比べると少なく、精製塩はナトリウム99%以上の物質がほとんどです。

料理に使っている食塩とは、いったい何なのでしょうか?

瓶に入った食塩が散っている様子

食事の殆どが
精製塩の可能性がある

精製塩は天然塩と違い、非常に安価な値段で手に入れることが出来ます。そのため、一般的な家庭料理には精製塩が多く使用されています。精製塩の大部分は化学的に塩化ナトリウム(NaCl)で構成されており、この物質は人体に必要な無機質の一つでもあります。

しかし、精製塩は純度99%以上のNaClで構成されていますので、その他の主要なミネラルが取り除かれた物質です。そのため、知らず知らずの内に私たちの身体はミネラル不足に陥ってしまします。

塩の種類は
塩事業法に定義されている

日本の塩事業法に定義された”塩”について見ていきましょう。「塩とは、塩化ナトリウムの含有量が100分の40以上の固形物であり、チリ硝石、カイニット、シルビニットその他財務省令で定める鉱物を除く。」と定義され、塩は家庭用塩と業務用塩に分けられています。

精製塩にはさまざまな種類がありますが、一般的には、家庭用塩には食卓塩やクッキングソルト、精製塩、つけもの塩などがあります。一方業務用塩には、並塩や食塩、原塩、特殊精製塩、精製塩などがあります。精製により不純物を取り除き、安全性は高くなっていると思いますが、私たちが口にしている食塩は業務用塩(工業製品の原材料)と大差ありません。

精製塩の種類
  • 家庭用塩:食卓塩、クッキングソルト、精製塩、つけもの塩
  • 業務用塩:並塩、食塩、原塩、特殊精製塩、精製塩

天然塩は3種類、それぞれ自然の塩です

塩田で塩の生産がおこなわれている様子

天然塩は自然塩や天日塩など様々な呼ばれ方をしており、塩の世界には奥深い歴史と文化があります。塩は私たちの食卓に欠かせないものですが、その製法や種類は多種多様です。塩は大きく分けると、岩塩、天日塩、せんごう塩の3種類があります。

岩塩は
古代の海洋環境の結晶

岩塩は地中深くから掘り出された古代の海の名残りです。厳しい自然環境にさらされながら、長い時間をかけて形成されてきた塩です。日本では産出されませんが、世界各地の鉱山から採掘されています。鉱物などの不純物が混ざりにくいため、粒が大きく、塩味が濃厚なのが特徴です。

天日塩は
手軽に手に入る自然の塩

天日塩は海水を蒸発させて作った海塩です。塩田で育まれる塩で、日本では一部の地域でまだ生産されています。世界各地で生産されていますが、中国の慶安地方、スペインのシチリア地方が特に有名です。

天日塩は雨が多い地域では作るのが難しく、昔から全国的に広がる製法とは言えませんでした。その塩の味わいは、製塩地の気候風土を色濃く反映しています。当社のWebショップでも天日塩を取り扱っています。

せんごう塩は
日本古来の生産方法を
用いた伝統の塩

最後にせんごう塩。これは釜と火で海水を煮詰めて作る塩です。日本では古くから平窯と呼ばれる伝統製法で塩づくりが行われてきました。この製法による塩は粒子が細かく、塩味が穏やかで上品です。東京湾奥の塩田では今もせんごう塩が作られ、多くの料理人や食通に愛されています。

日本各地でせんごう塩は作られていますので、味比べをしてみて下さい。塩には単なる調味料以上の価値があります。それぞれの塩に息づく物語は、人々の暮らしや大地のありようを映し出すものなのですね。

天然塩と精製塩を比較してみよう

光っている白熱電球

原料と製造方法に
大きい違いがある

天日塩と精製塩は共に海水が原料ですが製法には大きな違いがあります。天日塩は海水をそのまま使い、一切の化学薬品を使わずに作られています。無添加、無漂白、無着色、無香料など、あらゆる人工的な処理を施さず、太陽の光と風によって自然のプロセスの中で育まれます。

一方の精製塩は、科学技術の力を借りて作られます。海水から電気分解でナトリウムイオンを取り出す際、イオン膜というフィルターを通して不純物を取り除きます。このプロセスにより、海洋汚染物質や有害物質は取り除かれますが、同時に自然の栄養素も失われてしまうのです。

安全性の面では精製塩の方が優位かもしれません。しかし、天日塩には自然の恵みがそのまま宿る、大切な価値があります。自然のままの味わいを楽しみ、本来の海水の恵みをいただける、それが天日塩独特の魅力となっています。

原料と製造方法の違い
  • 天日塩:人工的な処理を施さず、太陽の光と風によって自然のプロセスので作られる
  • 精製塩:イオン膜というフィルターを通して不純物とナトリウムイオンを取り出す

栄養成分や
ミネラルの含有量が全く違う

塩の主成分は塩化ナトリウムですが、その割合に違いがあります。天日塩は約85%が塩化ナトリウムで、残りの約15%はカリウムやマグネシウムなどのミネラル成分です。

一方、精製塩は約99%以上が塩化ナトリウムで、残りの約1%がその他のミネラルです。塩化ナトリウム以外のミネラルはほとんど含まれていないため、精製後にミネラルを添加する場合もあります。

料理には天然塩が最適
味わいに差が出る

天日塩も精製塩も同じようにしょっぱい味ですが、そのニュアンスに違いがあります。天日塩はミネラルが豊富であるため、コクや旨みが感じられます。白湯に溶かして飲むと、出汁のような旨味を味わうことが出来ます。また、粒の大きさや形も不揃いであるため、食感も楽しめることが特徴です。

一方、精製塩はナトリウムイオンが多く含まれるため、さっぱりとした味わいです。粒の大きさや形も均一であるため、サラサラとした質感です。そのため、天日塩は料理の味を引き立てる役割を果たしますが、精製塩は料理の味を調整する役割を果たします。

まとめ

塩は日常的に使う調味料ですが、その違いを知ることで料理の味や風味をより引き出すことが出来ます。天日塩は海水を太陽と風の力で蒸発させて作る天然塩がミネラル分が豊富です。

天然のミネラル補給やタラソテラピーなどのミネラルデトックスを目的とする場合、より自然に近い、天日塩を好まれる方が多くいらっしゃいます。

監修者
青栁 友世 tomoyo aoyagi

薬剤師歴10年・減薬歴相談5年。薬剤師、国際中医師の資格を所持。減薬と漢方相談のカウンセリングを行う『Cosmo Life Aid合同会社』代表。研究職と調剤薬局薬剤師の経験を経て、精神科薬の減薬相談や漢方カウンセリングの活動を行う。心身一如を基本とした食養生セミナー(水・塩・油)を開講。食養生の観点から無添加調味料のWebショップ『さしすせそ&』を運営。

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