簡単に出来る漬物店顔負けの「ぬか床」の作り方!無添加、無農薬で美味しく育む3ステップ

「漬物はハードルが高い」「ぬか床は手間がかかりそう」という先入観をお持ちではないでしょうか。実は、少しのコツさえ押さえれば、誰でも簡単に漬物店顔負けのぬか床を作ることができます。しかも、自分で作るからこそ“無添加・無農薬”の安心で美味しい仕上がりを楽しめるのが最大の魅力です。

ぬか床は乳酸菌が豊富に含まれた発酵食品で、野菜の栄養素を効率よく吸収する手助けもしてくれます。日本の伝統食として長く親しまれてきたこの「ぬか床」ですが、実は奥深い味わいを引き出す仕組みはとてもシンプルです。

最近は健康志向が高まる一方で、添加物や農薬の影響が気になる方も増えています。だからこそ、自宅で安心・安全な発酵食を仕込む意義は大きいと言えるでしょう。

この記事では「簡単に出来る漬物店顔負けのぬか床の作り方」を3ステップでご紹介します。これからご説明するポイントを押さえれば、初めての方でも驚くほど手軽に始めることができます。ぜひ最後までご覧いただき、ご自宅で“無添加・無農薬”のぬか床にチャレンジしてみてください。

これを抑えれば簡単!
ぬか床づくりの基本を押さえよう

生の米ぬかをフライパンで炒めている

「そもそも、ぬか床ってどうやって作ればいいの?」と思われる方は多いかもしれません。実際には、必要な材料が想像以上に少なく、工程もシンプルです。基本となるのは米ぬか、塩、水、そして野菜から出る微生物や乳酸菌です。

市販の“ぬか床パック”のような手軽な選択肢もありますが、今回は無添加・無農薬にこだわり、できるだけ自然の力を活かした仕込み方を目指します。

ぬか床は生きた発酵食品

ここで大事なのは、ぬか床が「生きた発酵食品」だという意識を持つことです。酵母や乳酸菌が活発に働くほど、美味しくて風味豊かなぬか漬けが仕上がります。逆に、手入れを怠れば異なる雑菌が繁殖してしまうこともあるため、しっかりとした基本の手順を踏むことが重要です。

  • ぬか床は生きた発酵食品
  • 無添加、無農薬の素材で安心安全
  • お手入れを丁寧に行う

まず何より大切な“仕込みのポイント”を3つのステップに分けて解説します。ぬか床づくりの要となる工程を理解し、いつでも自宅でプロ並みの味を楽しめる準備をしましょう。

無添加、無農薬で育む
ぬか床は仕込み準備が大切

小皿に入ったぬか床に使う材料

無添加・無農薬の素材を選び、最適なバランスの塩分濃度で仕込むことが、後々の味を大きく左右するポイントです。米ぬかは農薬や化学肥料の影響を受けやすいため、可能であれば有機栽培のものを選ぶようにしましょう。また、ぬか床の塩分濃度は野菜の水分をしっかり引き出し、乳酸菌を安定して繁殖させるために不可欠な材料になります。

ぬか床の素材は無添加無農薬を選択する

例えば、オーガニック(無農薬米や特別栽培米)の米ぬかを用い、塩分濃度約5%のぬか床を仕込むと、乳酸菌が活発に働きやすい環境が整います。実際に、一般的な家庭用のぬか床でも5~8%程度の塩分濃度を保つことで、失敗のリスクが抑えられたとのデータがあります。

  • 米ぬかは無農薬や特別栽培米の米ぬかを選ぶ
  • 塩は無添加の天然塩(自然塩)を使用する
  • 発酵には塩分濃度がとても重要

ぬか床に使用する素材選びを妥協せず、正しい塩分量を守ることが、漬物店顔負けのぬか床への第一歩となります。ここを押さえれば、後々のトラブルも減少します。

漬物店顔負けのぬか床の作り方

使用する素材は全て無添加、無農薬を使用しています。下記リンクにてご紹介していますので参考にされて下さい。さしすせそ&ではぬか床作りにも使っている、無添加の調味料を取り扱っております。

>> ぬか床に使う身体に優しい素材

ぬか床の材料(1kg当たり)
  • 米ぬか:(米糠) 1kg
  • 天然塩:100g〜130g(米ぬかの10%が目安)
  • 唐辛子:2〜3本(種を取ると絡みが抑えられます)
  • 昆布:5㎝四方2〜3枚
  • 鰹節:大さじ2
  • 捨て漬け用の野菜:適量
  • 水:1ℓ

※鰹節や魚介系の出汁はお好みで選んでください。干し椎茸、りんごの皮、ニンニクを入れる場合もありますがお好みで。

STEP
ぬか床作りの素材を下準備
ぬか床作りに使う素材と容器
  • 新鮮な米ぬかを使用します。香りをよくするため、フライパンで軽く乾煎りすると効果的。焦げないよう弱火でじっくり行いましょう。
  • 天然塩を水に完全に溶かして塩水を作ります。使用する水はミネラルウォーターを使用して下さい。
STEP
塩水を作り米ぬかに混ぜる
ボウルに入った塩水を混ぜたぬか床
  • 米ぬかに塩水を少しずつ加えながら、手でよく混ぜます。手で握ったとき、形が残る程度の硬さが理想的です。
STEP
容器に移し、香味素材と捨て漬けの野菜を入れる
琺瑯の容器に入ったぬか床とその他の材料
  • ぬか床用の容器に詰めます。陶器やホーロー製が望ましいですが、ジップロックや食品用保存袋でも代用可能です。
  • 昆布や唐辛子、ニンニク、干し椎茸などを埋め込みます。これらは風味を整えるだけでなく、防腐効果もあります。
STEP
初期発酵(ならし漬け)
  • キュウリやキャベツの芯などを漬け込み、毎日かき混ぜながら常温で2〜3日発酵させます。この「ならし漬け」によって、ぬか床が安定します。

ぬか床を育む「乳酸菌」を
活性化させる方法

日本の食卓。白米、味噌汁、鮭、卵焼き

乳酸菌を十分に増やすには、適度な温度管理と毎日の攪拌(かくはん)が欠かせません。乳酸菌は20~30℃ほどの比較的暖かい環境で増殖しやすく、さらに空気に触れすぎないようにするためには全体をまんべんなく混ぜる必要があります。

放置しすぎると、カビや異臭の原因となる悪玉菌が繁殖するリスクも高まりますので十分な注意が必要です。

美味しいぬか床を育むにはお手入れが肝

たとえば、夏場は気温が高いため、毎日1回以上の攪拌で乳酸菌を安定的に育てることができます。一方、冬場は発酵がゆっくり進むため、温かい場所に置くなど環境を整えることがポイントです。実際に、攪拌をほぼ行わずに放置したぬか床は、数週間で表面にカビが発生したという報告事例もあります。

  • ぬか床に手間を掛けてあげる
  • 常温の場合、毎日の撹拌を怠らない
  • ぬか床は空気に触れさせすぎない

乳酸菌を育むには、温度と攪拌の管理がすべての要。毎日のちょっとした手間が、美味しさと香りを大きく左右します。

ぬか床を美味しく保つお手入れ術

本棚と机に置かれた書籍

失敗を防ぐには、水分調整と不要な菌(微生物)の除去が欠かせません。ぬか床に漬ける野菜から水分が出すぎると、ぬか床が水っぽくシャバシャバになり、酸味が強くなりすぎたり、雑菌の繁殖を促してしまいます。余計な水分や痛んだ野菜片を放置すれば、ぬか床全体の風味が損なわれる危険が高まります。

ぬか床がゆるくなってきたら、追加の米ぬかや塩を少量ずつ足して調整する方法があります。また、表面にカビが生えたら、その部分を取り除き、アルコールや焼酎で軽くふき取ってからぬかを補充すると、雑菌の蔓延を予防できます。

発酵は冷蔵庫を使って頑張りすぎない

乳酸菌は常温の20℃〜30℃が活発に活動(発酵)します。日々のお手入れが大変!という方は冷蔵庫でぬか床を保存するのもおすすめです。発酵が進みづらくなりますので、雑菌の繁殖も抑えられます。

  • ぬか床の水分を調整する
  • 定期的に追い糠を行う
  • 冷蔵庫を利用し乳酸発酵を抑える

日々の管理はシンプルながらもとても重要です。定期的な点検と微調整が、ぬか床を失敗なく長く使う秘訣となります。

美味しさ引き出す優しい素材

まとめ|ぬか床を美味しく育む3ステップ

簡単に作れるぬか床にも、実は奥深い魅力がたくさん詰まっています。無添加・無農薬にこだわれば、体にやさしいだけでなく、自然の力が作り出す本格的な旨みを楽しめるのが大きなメリットです。

発酵という魔法のプロセスを自分の手でコントロールしながら、季節の野菜を漬け込む楽しみは格別なものがあります。一度ぬか床を仕込めば、何年も“育てる”ように使い続けることができるため、家庭の味として深い愛着が生まれると思います。

ぜひ、今回ご紹介したステップやコツを活かしながら、あなただけの“無添加・無農薬”ぬか床ライフをスタートしてみてください。きっと、日々の食事がより楽しみになるはずです。

監修者
青栁 友世 tomoyo aoyagi

薬剤師歴10年・減薬歴相談5年。薬剤師、国際中医師の資格を所持。減薬と漢方相談のカウンセリングを行う『Cosmo Life Aid合同会社』代表。研究職と調剤薬局薬剤師の経験を経て、精神科薬の減薬相談や漢方カウンセリングの活動を行う。心身一如を基本とした食養生セミナー(水・塩・油)を開講。食養生の観点から無添加調味料のWebショップ『さしすせそ&』を運営。

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